★制度概要④★特定技能外国人と結ぶ「特定技能雇用契約」が満たすべき基準について解説します。

制度概要
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1号特定技能外国人を雇用したいと思った場合、どのような条件を満たせば、受入機関(特定技能所属機関)になることができるでしょうか?

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特定技能基準省令では、以下の3つの基準を満たすことを受け入れ企業に求めています。これらの基準を満たすことで、特定技能所属機関としての適合性が認められ、特定技能外国人の受け入れを行うことができるようになります。この基準は、特定技能外国人受け入れ後も継続して満たし続けなければいけない基準ですので、特定技能所属機関がこれら適合性を満たせなくなった場合は、当然、特定技能外国人の受け入れはできなくなります。知らなかったでは済まされません。

【特定技能基準省令】
第1条:特定技能雇用契約が満たすべき基準
第2条1項2項:受入れ機関自体が満たすべき基準
第3条・第4条:支援計画が満たすべき基準
1号特定技能外国人

1号特定技能外国人

特定技能雇用契約が満たすべき基準とは

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今回は、1つ目の基準である【特定技能雇用契約が満たすべき基準】について、解説していきます。まず、特定技能基準省令の第1条(特定技能雇用契約の内容の基準)の要約を下記に示します。

【特定技能雇用契約の基準】

  1. 分野等を省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること。
  2. 外国人の所定労働時間が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること。
  3. 外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること。
  4. 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと。
  5. 外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な休暇を取得させるものとしていること。
  6. 労働者派遣の対象とする場合にあっては、派遣先の氏名又は名称及び住所並びにその派遣の期間が定められていること。
  7. 外国人が特定技能雇用契約の終了後の帰国に要する旅費を負担することができないときは、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関が、当該旅費を負担するとともに、当該特定技能雇用契約の終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること。
  8. 特定技能所属機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること。
  9. 分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。
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ここからは、各項目をもう少し具体的に解説していきます。

業務内容について

1号特定技能外国人に従事していただく業務は「相当程度の知識または経験を要する業務」である必要があります。どんな業務でも担当させても良いというわけではありません。「相当程度の知識または経験を要する業務」とは、各分野別の省令で定められている一定程度の技能水準を要する業務となりますが、おおむね各分野の3級技能士レベルの技能者が担当するような業務に従事してもらうことになります。また、特定技能外国人については、特定技能外国人が従事する業務と同等の業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することも差し支えないとされています。

労働時間について

特定技能外国人は、フルタイムでの業務に従事することが想定されていますので、比較対象となる「通常の労働者」とは、パートタイマーやアルバイト従業員の事ではなく、貴社で働くフルタイムの一般労働者の事を指します。貴社のフルタイム社員に適用される就業規則において規定されている所定労働時間が例えば週40時間であれば、特定技能外国人の所定労働時間も40時間ということになります。

報酬額について

特定技能外国人に対する報酬の額については、外国人であるという理由で不当に低くなることがあってはなりません。同等程度の技能等を有する者であれば、日本人であろうが外国人であろうが、国籍に関係なく同水準の報酬を支払う必要があります。地方出入国在留管理局への在留諸申請の際、「特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4)」を提出することになりますが、ここで申請人に対する報酬が、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることを説明します。比較対象となる日本人がいる場合には、その方の職務内容・責任の程度・経験年数等を勘案し、報酬額が申請人と同等である旨を説明することになります。比較対象となる日本人がいない場合には、賃金規定等から判断することになります。ちなみに報酬体系に関しては、月給制に限定されているわけではなく、時給制でも問題ありません(建設業除く)。

一時帰休の休暇付与について

労働基準法第39条には、「労働者の雇入れ日から6か月継続し、全労働日の8割以上の日数を出勤した労働者に対して、継続し又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない」という年次有給休暇の規定があります。特定技能外国人に対しても当然に労働基準法等、日本の労働法令が適用になりますので、特定技能所属機関は、特定技能外国人から有給休暇の申し出があった場合、有給休暇を与える必要があります。また、特定技能においては、通常の有給休暇だけにとどまらず、特定技能外国人から一時帰国の申し出があった場合は、必要な休暇を取得させることを「雇用条件書」で定める必要があるのです。どういうことかというと、例えば、10日の有給休暇をすべて使ってしまった特定技能外国人が、一時帰国のための休暇を取得したいと申し出があった場合、追加的な休暇を取得することができるよう配慮しなければならないのです。そしてもう一つ、特定技能外国人の家族が『短期滞在』で来日した場合は、家族と過ごす時間を確保するため、有給休暇を取得することができるよう配慮しなければならないとされています。

帰国旅費の補助について

特定技能外国人が帰国する際の帰国費用は、原則、本人による負担となりますが、特定技能外国人が自ら帰国費用を負担できない時には、特定技能所属機関が帰国費用を負担するほか、出国が円滑になされるよう必要な措置、例えば、航空券の予約や購入等も行う必要があります。この帰国費用は、帰国することとなった原因を問いません。ただし、行方不明となった場合は除きます。この帰国費用を確保しておくために、特定技能外国人へ支払う報酬から月々控除するなどして管理することは認められておりませんのでご注意ください。

定期健康診断について

事業者は労働者を雇用するうえで、労働者の健康を確保する義務がもとめられます。労働安全衛生法の中に、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。」という規定があります。いわゆる一般健康診断を雇入時及び毎年1回以上行う必要があるのです。これは労働者の国籍に関わらず行う必要がありますので、特定技能外国人として、日本で就労活動を行っていただく外国人に対しても当然に適用されます。また、特定技能外国人に対しては、生活状況の把握のための措置として、緊急連絡網を整備したり、定期的な面談において日常生活に困っていないか、トラブルなどに巻き込まれていないかなどを確認することも特定技能所属機関に求められています。

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特定技能雇用契約の内容は、すべて参考様式1-6雇用条件書に記載して、地方出入国在留管理局へ提出することになります。

 

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