1号特定技能外国人を雇用したいと思った場合、どのような条件を満たせば、受入機関(特定技能所属機関)になることができるでしょうか?
特定技能基準省令では、以下の3つの基準を満たすことを受け入れ企業に求めています。これらの基準を満たすことで、特定技能所属機関としての適合性が認められ、特定技能外国人の受け入れを行うことができるようになります。この基準は、特定技能外国人受け入れ後も継続して満たし続けなければいけない基準ですので、特定技能所属機関がこれら適合性を満たせなくなった場合は、当然、特定技能外国人の受け入れはできなくなります。知らなかったでは済まされません。
【特定技能基準省令】 第1条:特定技能雇用契約が満たすべき基準 第2条1項2項:受入れ機関自体が満たすべき基準 第3条・第4条:支援計画が満たすべき基準 |
目次
受入機関自体が満たすべき基準
今回は、【受入機関自体が満たすべき基準】について、解説していきますが、しっかり法令等を遵守している法人または個人でなければ、特定技能外国人を受け入れることはできませんよ。という話になります。まず、特定技能基準省令の第2条1項の要約を下記に示します。
〈基準省令の第2条1項〉
①労働、社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること。 |
ここからは、各項目をもう少し具体的に解説いたします。
労働、社会保険及び租税に関する法令遵守
労働基準法等を遵守した特定技能雇用契約が締結されていることは大前提として、労働保険及び社会保険の適用手続及び保険料の納付を適切に行っていること及び国税及び地方税を適切に納付していることが当然に求められます。保険料及び税金の納付状況確認のため、出入国在留管理局への在留諸申請の際には、労働保険料等納付証明書や社会保険料納付状況回答票、各種納税証明書の提出が必要になります。
非自発的離職
非自発的離職には、普通解雇だけでなく、希望退職の募集や退職勧奨なども含まれます。自発的な離職や定年退職は非自発的離職には当たりません。外国人が従事する業務と同種の業務に従事していた労働者には、外国人労働者はもちろん、日本人労働者も含まれますが、いわゆる「フルタイム」の従業員が対象であるため、パートタイムやアルバイトの従業員は含まれません。
保証金や違約金
外国人の途中退職や失踪防止を目的に保証金や違約金が設定されていないか必ず確認してください。特定技能制度において、強制労働等につながりかねない保証金や違約金の締結については厳しく禁じられております。保証金や違約金の存在を知っていながら特定技能雇用契約を結ぶことはできません。
外国人の活動内容に係る文書作成
特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し、特定技能外国人が業務に従事する事業所に当該特定技能雇用契約の終了の日から1年以上備えて置く必要があります。
支援に要する費用負担
1号特定技能外国人に対する支援に要する費用は、特定技能所属機関等が負担すべきものであり、1号特定技能外国人に直接または間接的にも負担させてはいけません。具体的には、出入国時の送迎に要する交通費や事前ガイダンス・生活オリエンテェーション・定期面談実施時の通訳費用など、1号特定技能外国人に対して行われる各種支援に必要な費用の事です。
雇用契約を継続履行する体制
特定技能雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されているとは、事業を安定的に継続できるだけの財政的基盤を有しているかどうかです。財政的基盤については、欠損金や債務超過の有無等から総合的に判断されます。
報酬支払方法
特定技能外国人への報酬の支払いに関しては、より確実かつ適正なものとするため、当該外国人に対し、報酬の支払い方法として預金口座への振り込みがあることを説明したうえで当該外国人の同意を得た場合は、預金口座への振り込みにより行う事とされています。
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